野菜は1日に350g必要と言われていますが、その中の120gは緑黄色野菜であることが勧められています。350gと簡単に言いますが、手のひらにのせるとあふれてしまうほどです。スーパーの野菜コーナーにはカラフルな野菜がたくさん並んでいますよね。ポップに減農薬と書かれている野菜もあれば、無農薬と書かれているものもあります。
食をあずかる主婦なら、やはり「農薬」が使われていない野菜を選びたいですよね。しかし、現実には知らず知らずのうちに、収穫までに危険な農薬がたくさん使われている野菜を選んで食べているかもしれないのです。
今回は危険な農薬が使われ、残留農薬として付着している野菜について紹介します。
農薬が使われているとどうなるの?
ひとことで農薬と呼びますがその種類は非常に多種多様で、有機リン系、含窒素系、ピレスロイド系などがあり、野菜の特性などにより使い分けられているようです。病気を防ぐために殺菌剤、害虫の駆除に殺虫剤なども使用されます。そして使用された農薬が野菜に残っているものを残留農薬と呼びます。
残留農薬は野菜に残る農薬のことですが、農薬のうち水に溶ける農薬は主に野菜の表面に残留しています。また油に溶ける農薬は野菜表面の下にあるクチクラ層に溶け込んでいますが、野菜内部にまで浸透することは、あまりありません。
残留農薬の可能性がある野菜を食べたからと言って、すぐ体調を崩すということにつながるわけではありません。しかし長い間、残留農薬が体内に溜め込まれてしまった結果、農薬中毒と呼ばれる症状があらわれることも危惧されます。
一般に知られている農薬
有機リン系
有機リン系は健康被害、特に神経毒性がある。
ネオニコチノイド系
水に溶け浸透する性質があり、分解されにくい。残留性が高く、環境へも蓄積する。
農薬中毒として見られる症状
- 集中力低下
- 頭痛
- めまい
- 筋痛
- 不眠
- 短期記憶障害
- 心電図異常
- 染色体異常
- 肝臓障害
- 発がん性など
この他、問題行動や鬱(うつ)の背景にも農薬がかかわっているのではないかと問題視されています。
殺虫剤が使われているほうれん草
ほうれん草は栄養が豊富な野菜ですね。しかし、ほうれん草は病害虫に弱いので殺虫剤などが多く使われるため残留農薬が多い野菜と言えます。
- ボウルなどを使って水を流しながら5分程度つけ置きます。
- その後、5回ほどふり洗いします。 この時、水に溶けだした残留農薬が再度、付着することを防止するため水は流し続けましょう。
- 2cmくらいに切り、沸騰した多めの湯で30秒程度ゆでこぼします。
- ゆでたほうれん草は流水でアクを取り水気を絞ります。
セロリは害虫対策の為に農薬
セロリはミネラル分や食物繊維が豊富に含まれている野菜ですが、生育期間が長く害虫に弱いことから、農薬の使用が多くなってしまう傾向があります。
- 茎の部分を流水で1分強、こするようにして洗います。
- 3mm程度を目安になるべく薄くカットします。
- カットしたセロリを〔水3カップ:酢大さじ1〕の割合で作った酢水に5分程度つけ置きます。
- 酢水につけ置いたセロリを水洗いします。
セロリの葉を調理したいときは、残留農薬が多いため、ゆでこぼした後、念入りに水でふり洗いをしましょう。
トマトの表面は農薬だらけ?
トマトは、ビタミンなどが豊富でカロリーも低めの野菜ですから、ダイエットにもピッタリの野菜ですね。しかし、病害虫やカビを防ぐ目的で使われた農薬が表面に残りやすいといえます。
そのような理由から、トマトは加熱調理をする場合だけでなく生食の場合も「湯むき」するとよいです。湯むきの方法は次のようになります。
- 流水でこすり洗いをします。
- ヘタのある側とは反対側に包丁で十字に浅く切れ目を入れます。
- 沸騰したお湯の中に10秒〜15秒程度つけると、入れておいた切れ目から皮がめくれてきます。
- トマトをお湯から取り出し、冷水にとり冷ましてから皮をむきます。
レタスやキャベツも害虫対策で殺虫剤を使用
球のレタスやキャベツは害虫に弱いため農薬の使用回数が多いことから、特に外葉に残留農薬が付着しています。キャベツ畑やレタス畑の農家は迷惑がかからないよう早朝からガスマスクを着けて殺虫剤や農薬を撒いています。体内に入ると危険とわかっていながら売上の為、薬品を撒いてい農家さんもいます。
レタスやキャベツを安全に食べるためには残留農薬の大部分が付着している外側の葉を1〜2枚ほどむけば良いです。もし心配であれば、1枚1枚丁寧に洗う事が大事です。
暑い気候で育ったキュウリ
キュウリは暑さに弱く気温が30℃以上になると抵抗力が落ちてしまうことから、使用される農薬は多く有機リン系などの殺虫剤も使われます。
キュウリの表面に残留農薬があるので、次のような方法で「板ずり」をした後、塩を洗い流すとよいです。
- キュウリを流水でこするようにして洗います。
- 洗った後、まな板にのせ塩をふり、軽くころがします。
- キュウリについた塩を洗い流します。
他種類の農薬が使われたピーマン
ピーマンは生育するための温度条件が難しく、病害虫にも弱いことから有機リン系など、多種類の農薬が使用されています。ピーマンの表面に残留農薬があるので、次のような手順で準備しましょうね。
- 流水でしっかりこすり洗いします。
- 食べやすい大きさにカットしたのち、熱湯で1分程度ゆでます。
- お湯をきり、ピーマンを冷水にとって冷まします。
さて、今回は知らないと恐ろしい!危険な農薬がたくさん使われている野菜について紹介しましたがいかがでしたか?
紹介した野菜以外にも残留農薬が心配される野菜や果物は多くあります。残留農薬の危険性を知ることが大切です。野菜の下ごしらえを工夫することも必要となってきますね。
と言われても「この野菜には○○という農薬が使われているから、□□しなくちゃ」のような専門的なことまでは、ほぼ無理かと思います。しかし、よく水で洗う、ゆでる、皮をむくなどの工夫はできそうですよね。
次は残留農薬を体内に取り込まないように、野菜の下ごしらえをする時にできることから始めていかれると良いのではないでしょうか?
知らないと恐ろしい!危険な農薬がたくさん使われている野菜
- 農薬が使われているとどうなるの?
- 殺虫剤が使われているほうれん草
- セロリは害虫対策の為に農薬
- トマトの表面は農薬だらけ?
- レタスやキャベツも害虫対策で殺虫剤を使用
- 暑い気候で育ったキュウリ
- 他種類の農薬が使われたピーマン