デトックスという言葉が、あちらこちらで聞かれるようになりました。デトックスとは、身体の中に溜まった有害物質を排出することですが、実は、日頃食べている野菜には、デトックス効果が高いものがたくさんあるのです。
そこで今回は、デトックス野菜を摂ることで得られる、身体をスッキリさせる効果を5つご紹介します。
デトックス野菜で、むくみを解消しスッキリボディに!
むくみとは、皮膚の下に老廃物や水分が溜まったままになっている状態のことを言います。むくみの原因は、血行不良、塩分の摂りすぎや病的のものもあります。全身がむくむ、むくみがだんだんひどくなる、といった症状が出ている場合は、病的なむくみである可能性がありますので、速やかに医師の診察を受けてください。
一方朝、履いていた靴を夕方に履くときつくなる、朝起きると顔が大きくなっているといった場合は、一時的なむくみです。余った塩分を排出し、利尿作用のあるカリウムが豊富に含まれている野菜が効果的です。
カリウムを多く含むデトックス野菜は、きゅうりや冬瓜などのウリ科のものや、トマトやなすなどの夏野菜、切り干し大根やきのこ類です。カリウムは水溶性ですので、野菜をゆでたり、乾物を戻す際に、水に溶けだしてしまいます。そのため、生で食べるのがおすすめですが、乾物は戻し汁を利用する、火を通す必要がある野菜は、汁ものにするなど、工夫が必要です。
2種の食物繊維とクロロフィルで腸内デトックス!
腸内の掃除をしてくれる頼もしい味方である食物繊維。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種あります。
水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑える、高血圧予防、血中コレステロール抑制効果が、不溶性食物繊維は、便が嵩増しされるので腸が刺激され、便秘解消に効果があるほか、身体の中の有害物質とともに、便として排出する効果もあります。また、どちらの食物繊維も、腸内の善玉菌のえさになりますので、腸内環境の改善につながります。
身体に溜まった有害物質や老廃物は7割が便によって排出されます。宿便があると便に含まれている有害物質を再度吸収し、全身に広がってしまうことがありますので、日頃から腸を元気にしておくことは何より大切なことなのです。
水溶性食物繊維はデトックスには関係ないように思いますが、便を柔らかくする効果もあるため、2種の食物繊維は偏らないように摂る必要があります。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を豊富に含んでいるデトックス野菜は、ごぼうやキノコ類、オクラがあります。水溶性食物繊維は、名前の通り水に溶ける物質です。ごぼうを調理する際は、水にさらしすぎないよう注意が必要です。
食物繊維は腸内のデトックスには非常に効果的ですが、大きさがあるため細かな箇所の掃除は不可能なのが欠点です。その欠点を補ってくれるのが、クロロフィルと呼ばれる緑色の天然色素です。クロロフィルは食物繊維の5千分の1の大きさなので、食物繊維では届かない箇所の掃除も可能です。クロロフィルは濃い緑色の野菜に含まれますが、中でも多く含まれているのがホウレン草と小松菜です。クロロフィルには細胞壁があり壊すことで吸収率が上がります。加熱する、もしくは細かく刻むのがおすすめです。
デトックス野菜に含まれるキレート作用で、有害物質を排出!
キレートとはギリシャ語でカニのはさみという意味の化学用語で、キレート作用とは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、吸収されにくいミネラルを吸収しやすくする作用、2つ目は有害物質を捕まえ体外に排出する作用です。後者は、被爆された方の体内の被爆物質を排出させる効果が論文で発表されるほど、効果は絶大です。玉ねぎ、長ネギ、らっきょう、にら、にんにくなどのネギ属の野菜に含まれる硫化アリルや、玉ねぎの皮の部分、ホウレン草、ブロッコリー、モロヘイヤに含まれるケルセチンにその効果があります。
硫化アリルもケルセチンも水溶性の物質ですが硫化アリルは熱にも弱いため、玉ねぎは水にさらすのを最小限にとどめ、できるだけ生で食べることをおすすめします。また、ケルセチンは熱に強い物質ですので、汁ものなどにして汁ごと食べると効果的に摂取できます。
デトックス野菜で活性酸素の働きを抑制!
活性酸素は大気汚染や食生活、タバコやアルコールの過剰摂取などによって溜まった有害物質をもとに作られ、増加すると癌や生活習慣病などさまざまな病気になるリスクが高まるとされています。また、活性酸素はストレスが溜まることでも作られますので、現代のようなストレス社会では、体内の活性酸素は、増加傾向にあります。活性酸素を除去することは非常に難しいですが、増え続ける活性酸素を減らすことは可能です。
活性酸素の抑制に効果的なデトックス野菜は、抗酸化作用のあるベータカロテンを多く含む、ホウレン草や人参、かぼちゃなどに代表される緑黄色野菜です。また、トマトの赤い色素であるリコピンは、ベータカロテンの2倍以上の抗酸化作用があり、活性酸素の抑制に効果があります。さらに、最近その栄養価の高さが注目されているブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの20倍以上のスルフォラファンと呼ばれる抗酸化物質が含まれており、活性酸素の抑制に期待できます。
血液をさらさらにし、冷え性や肩こりを改善!
女性は、冷え性や肩こりに悩まされる人が少なくありません。冷えや肩こりにはさまざまな原因がありますが、多くは血行不良によるものです。ストレッチなどで身体を動かすことは大事なことですが、身体の内側から改善するとさらなる効果が期待できます。
冷えや肩こりの改善は、血流をよくすることです。玉ねぎに含まれる硫化アリル、トマトやピーマンに含まれる、青臭い匂いの成分であるピラジンには、血液をさらさらにする効果があります。さらに身体を暖める、しょうがに含まれるショウガオールや、にんにくに含まれるスコルジニンは、血行をよくする効果がありますので、トマトのサラダにしょうがを入れたり、ピーマンを炒めものにする際、にんにくを追加するなどすると効果的です。
さて、今回はデトックス野菜で身体をスッキリさせる5つの効果について紹介しましたがいかがでしたか。
普段から食卓に並んでいたものが多かったのではないでしょうか?食事は、バランスが何より大事です。ぜひ、毎日の食卓にデトックス野菜を大いに取り入れ、内側からキレイな身体を作ってください。
デトックス野菜で身体をスッキリさせる5つの効果
- デトックス野菜で、むくみを解消しスッキリボディに!
- 2種の食物繊維とクロロフィルで腸内デトックス!
- デトックス野菜に含まれるキレート作用で、有害物質を排出!
- デトックス野菜で活性酸素の働きを抑制!
- 血液をさらさらにし、冷え性や肩こりを改善!