野原や道ばたに生えるつる性の多年草である「カキドオシ」。あまり聞いたことのない名前かもしれませんが、日本では昔から民間療法として用いられてきた薬草の一つです。
お茶として飲まれることが多く、古くから子どもの疳の虫を取るといわれており、その他にも利用作用や消炎・解毒作用があり、結石の排出にも効果があるといわれています。
このカキドオシの今注目されている効果・効能が、血糖値を抑える作用があることから糖尿病への効果と、なんとダイエットにも効果があることが期待されています。健康にいいうえにダイエットにも効果があると聞くと、もっと詳しく知りたくなりますよね。
こんなカキドオシについて、その効果・効能についてや、どんな薬草なのか、さらに利用方法についてご紹介していきます。
カキドオシってどんなもの?
カキドオシとはシソ科の多年草で、日本全土の道ばたに自生するつる性の植物です。4~5月に淡紫色の花が咲き、花が終わる頃に茎が倒れてつるとなり、このつるが垣根をくぐり抜け伸びていくことから「カキドオシ」という和名がついたということです。
このカキドオシの全草を乾燥させたものは連銭草(レンセンソウ)という生薬名で呼ばれ、子どものひきつけや夜泣きをおこす原因とされる「疳の虫」を取り除く薬として用いられたことから、別名を「カントリソウ」ともいいます。
日本では江戸時代に民間薬として広く用いられており、またヨーロッパでも古くから民間薬として重要な地位を占めていました。
血糖値低下で糖尿病に効果あり!
カキドオシの期待される効果の1つに、血糖値の低下があげられます。1968年の日本生薬学界で富山大学薬学部の吉崎教授の研究グループが、カキドオシの特異的な血糖値降下作用の有意性を発表したことで、糖尿病への効果が期待されるようになりました。
さらに、一般的には糖尿病の治療薬には副作用があるものが多い中で、カキドオシには副作用がないという点もカキドオシが糖尿病の治療に注目されている理由でもあります。
また糖尿病ではなくとも血糖値が気になる人にとって、副作用を気にせず血糖値低下の効果が得られるカキドオシは、糖尿病予防として普段から取り入れることができますね。
脂肪を溶解してダイエット効果も!
カキドオシの血糖値低下作用には、なんとダイエット効果も期待できるのです。これは、血糖値を低下させる作用が体内の脂肪の蓄積を防ぎ、さらに体内の脂肪を溶解する効果もあるからなのです。
1987年に北九州の薬草研究グループである小倉薬草研究会が、カキドオシ摂取による内臓脂肪や皮下脂肪の変化を観察したところ、ダイエット効果が認められるという結果が得られました。
ダイエットに効果のあるといわれるお茶は様々ありますが、カキドオシをお茶として飲むカキドオシ茶もダイエット茶として注目されています。
むくみを防止するカキドオシの力
カキドオシに含まれるリモネンは、みかん等柑橘類の香りのもととなる栄養成分としても知られています。柑橘類のスッキリとした香りをかぐと食欲が出てきた覚えもあるかと思います。
これはリモネンによって、腎臓などの消化器官が活性化され、代謝が良くなったためです。尿を排出するのに不可欠な腎臓の働きが良くなることで、利尿効果を得られます。つまり、体内に水分が必要以上に蓄積されなくなり、むくみを防止できるのです。体内もスッキリし、顔やふくらはぎのむくみによる膨張が抑えられ、見た目もスッキリします。
その他にもこんな効果・効能が
乾燥させたカキドオシを布袋に入れ入浴剤として湯船に入れることで、皮膚の新陳代謝が促されあせもや湿疹の改善効果や、疲労回復、ストレス解消、リラックス効果が得られます。
また生の葉の絞り汁を直接患部に塗ることで水虫に効果があるとされ、乾燥させた葉を濃く煮出して直接肌に塗ることでも、あせもや湿疹に効くなど、外用薬としても利用されています。
カキドオシは食べても飲んでも良し
カキドオシは野山に自生している食べられる野草なので、自分で採ってきたカキドオシをよくアク抜きしてお浸しや炒め物、揚げ物などにして食べることができます。ちなみに、葉もお花も全て食べることができますよ。他の食材とかき揚げにしたり、生の葉を刻んで薬味として利用するのもいいですね。
シソ科の植物なのでシソのようなミントのような独特な香りがあり、調理して食べることでより香りを楽しむことができます。
しかし、最も手軽なカキドオシの利用法はやはりお茶として飲むことです。カキドオシ茶として市販されているものがたくさんありますので、それを購入して飲むことが手軽ですし、また手軽でなければ続けることができませんよね。こういったお茶の効果・効能はすぐに効果がでるというものではありませんので、やはり続けられるということがとても大切です。
カキドオシで子どもの癇を解消!?
癇癪(かんしゃく)を頻繁に起こす、ひきつけを起こすなど、子どもに出る症状を「癇(かん)」と呼びます。原因はストレスと言われていますが、明確になっていません。また、これと言った特効薬もありません。大人になるにつれて自然と解消されていく場合が多いからです。
それでも、子どもが頻繁に夜泣きをすると、親としては心配ですし、親子ともに寝不足になって日常生活に支障をきたしてしまいます。カキドオシを煎じたものを飲むと、子どもの癇を改善すると昔から言われています。カキドオシの別名は「癇取草」となっているぐらいです。なぜ子どもの癇に効くのか、明確なメカニズムは分かっていませんが、副作用の心配も無いので試してみる価値はあると言えるでしょう。
効果的にカキドオシ茶を飲もう
市販されているカキドオシ茶を購入して飲むことは手軽ですが、せっかくですからより効果・効能を得られる飲み方をしたいですよね。それにはお茶の作り方にちょっとした注意が必要です。
カキドオシ茶の有効成分は多くがその精油(芳香)成分に含まれています。そのため、長く煮詰めてしまうと精油成分が揮発してしまうのです。そこでお茶を作る際は、沸騰するまで中火にかけ沸騰したらすぐに火を止めましょう。急須を使う場合は、熱湯を注いで1~1分半待てばOKです。
さて、今回はダイエット効果にも注目!カキドオシについて知っておきたい8つの効能について紹介しましたがいかがでしたか。
カキドオシは、ヨモギやドクダミなどと同じ古くから日本で利用されてきた薬草ですが、その名はあまり知られていませんよね。しかし、ご紹介してきたように健康やダイエットに効果があることは研究などでも立証されています。
身近な所に自生しているとはいっても、生のカキドオシを採ってきて利用するのは大変ですが、今はもっと手軽にお茶として日々の生活に取り入れることができます。より健康な体のために、古くから利用されてきた薬草の力を借りてみるのはいかがですか。
ダイエット効果にも注目!カキドオシについて知っておきたい8つの効能
- カキドオシってどんなもの?
- 血糖値低下で糖尿病に効果あり!
- 脂肪を溶解してダイエット効果も!
- むくみを防止するカキドオシの力
- その他にもこんな効果・効能が
- カキドオシは食べても飲んでも良し
- カキドオシで子どもの癇を解消!?
- 効果的にカキドオシ茶を飲もう