
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、サプリメントなどに使われる植物です。うつ症状について研究されていますが、「不眠やダイエットにも使える万能のハーブ」と考えないことが大切です。とくに薬との相互作用を先に確認する必要があります。
効果について何が分かっている?
米国国立補完統合衛生センターNCCIHは、軽度から中等度のうつ病について、有用性を示す研究があると説明しています。一方、重いうつ病や長期間の使用については不確かな点があります。
研究対象の製品、対象者、期間が違うため、その説明を市販のすべてのお茶やサプリメントへ当てはめることはできません。「研究があるから自分も使う」と判断せず、症状がある場合は医療機関で相談してください。
不眠・PMS・減量にも同じ効果がある?
別の症状への有用性は、それぞれ別の研究で確かめる必要があります。うつ病についての結果だけをもとに、不眠、月経前の不調、更年期症状、減量への効果を約束することはできません。
気分や眠りの問題を単一のホルモンの不足だけで説明し、このハーブで解消できると結論付けるのは避けましょう。生活への影響や続いている期間を相談先へ伝えることが大切です。
薬との飲み合わせが重要
NCCIHは、多くの薬と重要な相互作用を起こすことを指摘しています。薬の効き目を弱める場合があるほか、抗うつ薬などとの組み合わせで深刻な副作用につながることもあります。
例として、避妊用のピル、ワルファリン、シクロスポリン、一部の抗てんかん薬や抗がん薬などが挙げられています。これは一覧の一部です。載っていない薬なら大丈夫と判断せず、薬を使っている場合は使用前に医師・薬剤師へ確認してください。
すでに使っているときは?
診察や薬の受け取りの際に、商品名と成分、使った量と期間を伝えます。処方薬を中断してサプリメントに置き換えたり、併用する量を自分で調整したりしないでください。続けるかやめるかも、飲み合わせを踏まえて相談します。
天然でも副作用はある
眠りづらさ、めまい、消化器の不調、日光に当たった後の強い皮膚反応などが報告されています。妊娠・授乳中も自己判断で使わず、専門家へ相談してください。
葉やサプリメントの粉を傷口へ直接塗るなど、飲用の製品を自己流で外用する方法も勧めません。傷の処置や皮膚の症状は、用途に合った方法で対応します。
相談するときの確認リスト
- 処方薬、市販薬、サプリメントをまとめて伝える。
- 商品の成分表示や包装を持参する。
- 使う目的と、気分・睡眠・体調の変化を伝える。
よくある疑問
少量のお茶なら飲み合わせの確認は不要?
名前や形状だけで成分量は分かりません。服薬中は製品を示して相談してください。
効能が全くないという意味?
そうではありません。研究で分かっている用途と不確かな用途を分け、個人の症状や併用薬を踏まえて判断する必要があるということです。
参考資料
更新:2026年10月25日。効能の断定と自己流の利用法を見直し、根拠と注意点を整理しました。