何か身体の悩みはありますか。悩みがあっても、慢性的なもの、と諦めていませんか。女性の多くは、便秘や冷え性、肩こりに悩まされているようです。身体の不調が解消されたら、身体も心も軽やかになり、笑顔も増えますね。
多くの女性を悩ます、便秘にスポットを当てます。便秘に効く栄養素と言えば、食物繊維ですね。根菜やきのこ、海藻に多く含まれています。食卓にのぼる機会が多い、食物繊維についてよく知ることは、便秘解消に効果的です。
今回は、5種類の食物繊維を取り上げて、便秘に効果的な食べ物をご紹介します。末尾に、食物繊維豊富なごぼうのレシピを掲載しているので、最後までご覧いただけたら幸いです。
便秘に効く食物繊維はかつて不要とされていた!?
食物繊維は、タンパク質や脂質、炭水化物と違い、熱やエネルギーになりません。体の構成成分にもならないため、かつては不要とされ、「食物のカス」と呼ばれていた時代もありました。
しかし近年になり、糖質の吸収を遅らせたり、コレステロールの排出を促す作用や、カロリーがほとんどないうえに満足感が得られるなど、すぐれた働きがある事が分かってきました。食物繊維には様々な種類があります。水に溶ける水溶性と、水に溶けず、水分を吸収して膨張する不溶性に、大きく分かれます。それぞれ働きも異なります。では早速、詳しく見ていきましょう。
食事でとる食物繊維の多くはセルロース
不溶性食物繊維のセルロースは、植物の細胞壁の主成分で、ブドウ糖が結合した多糖類です。デンプンもブドウ糖が結合していますが、セルロースは結合方法が違うため、消化液はセルロースを分解できません。
そのまま大腸に到達し、腸内で水分を吸収して膨張し、腸の蠕動運動を促すため、便秘の予防や解消に効果的です。有害物質や発がん物質を排出する働きもあります。
ほとんどの植物に存在し、特に、米ぬかや小麦のふすまなど、穀類の外皮に豊富に含まれています。玄米やごぼう、大豆、切り干し大根、おからなどにも多く含まれます。主食を雑穀米やライ麦パン、全粒パンにすると、効果的に摂取できます。
有害物質の排泄を促すペクチン
ペクチンは、植物の細胞壁に多く含まれる多糖類です。ほとんどの植物に含まれていますが、植物の種類や成熟度により、含有量が異なります。不溶性、水溶性のどちらもあり、働きも異なります。
不溶性ペクチンは、セルロースやヘミセルロースと結合して、細胞壁を構成します。便のかさ増しや、腸の蠕動運動を促す働きがあります。腸内の善玉菌も増殖させるため、便秘の解消に効果的です。パプリカやニンジン、オートミール、トマトなどに多く含まれます。ちなみに果物のペクチンは、未熟なうちは水に溶けませんが、熟してくると水溶性になりゲル化します。
特定保健用食品に認可されている成分で便秘解消
キチン・キトサンはカニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類です。甲殻類の殻の他、イカの軟骨、きのこの細胞壁、チーズなどに多く含まれます。
キチン・キトサンは、胆汁酸を吸着して、コレステロールを減らす作用や、有害物質を排出する働きがあります。便秘解消の他にも、塩分中の塩素を吸着して排出するので、高血圧の予防も期待できます。小腸内で脂肪と結合して、脂肪の吸収を阻害するので、肥満も防止できます。
キチンは、甲殻類の殻から、タンパク質やカルシウムなどを除けば取り出せます。キトサンは、キチンを化学処理すると生成し、更に化学処理するとグルコサミンになります。この様に、キチン・キトサンは、健康食品の原料としても非常に重要です。
こんにゃくは食物繊維の塊!
水溶性食物繊維のマンナンは、マンノースを主成分とする多糖類の総称です。よく知られているグルコマンナンは、こんにゃくの主成分です。
グルコマンナンは、水を吸収してゲル化し、膨張する性質なので、胃の中で大きく膨らみます。食べたものを胃の中で包みこむことにより、消化、吸収を抑える作用があります。
グルコマンナンは、腸内細菌によりオリゴ糖に分解されて、ビフィズス菌を増殖させます。腸内環境を整えるので、便秘解消に役立ち、大腸がんの予防も期待できます。こんにゃくは97%が水分で、食物繊維とミネラル以外の栄養素はほとんど含まれていません。大量にこんにゃくを食べるのではなく、適度に摂取しましょう。
海藻のヌルヌル成分で便秘解消!
不溶性食物繊維のアルギン酸は、海藻類の主成分です。海中にある様々なミネラルと結合して、塩を形成します。不溶性ですが、結合したミネラルにより、水溶性に変化します。
胆汁酸を吸着して排泄する働きがあるので、コレステロールを減らします。ナトリウムを排出する作用もあり、便秘はもちろん、高血圧や動脈硬化、肥満の予防が期待できます。わかめや昆布が入った味噌汁は、効率良く摂取できるうえ、味噌に含まれるナトリウムも排出してくれるので、一石二鳥です。
便秘に効く食物繊維たっぷりごぼうのレシピ!
「ごぼうといんげんのツナ味噌マヨあえ」をご紹介します。ごぼうには、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維が、バランス良く豊富に含まれています。ごぼうまるごと1本を使い切るレシピです。是非、お試しください。
- ごぼう:1本
- さやいんげん:1袋
- ツナ味噌マヨネーズ
- ツナ缶:3/4缶
- マヨネーズ:大さじ4と1/2
- 味噌(あれば白味噌):大さじ2
- 醤油:小さじ1
- すりごま:少々
作り方
- ごぼうはよく洗い、せん切りにする。さやいんげんはヘタを取り、さっと熱湯で茹でてから斜めに切る。次に、ごぼうを2分ほど茹でて、水気を切っておく。
- ボールに、ツナ味噌マヨネーズの材料を入れて混ぜる。さやいんげんとごぼうを加えてあえ、仕上げにすりごまをふる。
さて、今回は便秘解消に効く食べ物とは!?5種類の食物繊維と共にご紹介!をお届けしましたが、いかがでしたか。
食物繊維は、「食べ物のカス」から一転、近年では注目される栄養素に転身しました。腸で吸収されない性質が、便秘の予防や解消に役立つことを、ご理解いただけたと思います。便秘だけでなく、高血圧や糖尿病などの、生活習慣病の予防も期待できる食物繊維は、積極的に摂取したいですね。
こんにゃくのみなど、1つの食品に偏るのではなく、水溶性と不溶性をバランス良く摂取しましょう。食物繊維をたっぷり摂るには、生野菜より、筑前煮やひじきの煮物、根菜汁などがお勧めです。時には、ご飯を玄米や雑穀米、胚芽精米に切り替える、など変化をつけて、食事を楽しみながら便秘解消しましょう。
便秘解消に効く食べ物とは!?5種類の食物繊維と共にご紹介!
- 便秘に効く食物繊維はかつて不要とされていた!?
- 食事でとる食物繊維の多くはセルロース
- 有害物質の排泄を促すペクチン
- 特定保健用食品に認可されている成分で便秘解消!
- こんにゃくは食物繊維の塊!
- 海藻のヌルヌル成分で便秘解消!
- 便秘に効く食物繊維たっぷりごぼうのレシピ!