ゼンマイといえば、クルクル渦巻状の変わった形をしている山菜ですね。お浸しや煮物、炒め物や天ぷら、炊き込みご飯などに入れれば、ゼンマイのほんのり独特の香りや苦みによって料理の味に深みが出て、とてもおいしくなりますね。
ゼンマイは日本全国の野山で自生していますが、山里に住まれている地元の方や詳しいガイドの方などと一緒でなければ、ゼンマイが群生しているようなスポットを見つけるのは、なかなか難しいことです。昔から、ゼンマイは「山のダイヤ」と呼ばれ、高価で取引され重宝されてきました。
自然に囲まれた野山で育つイメージがあるゼンマイですが、意外なことに日蔭になるベランダなどで、プランターで育てることに向いています。ということで、今回は山の幸ゼンマイをお家のプランターで育てる方法について紹介します。
まずはゼンマイを知ろう!
ゼンマイは、多年生のシダ植物です。食用として収穫する時は、葉が渦巻き状で綿毛が被さっている新芽の時期に収穫して食べています。そのまま、放置しておけば葉が広がりシダ植物独特のギザギザした綺麗な葉をつけます。その姿はとても優雅な和を感じさせ、庭園や切り花など観賞用としても、ゼンマイは人気があります。
野山に自生するゼンマイは、渓流近くなどの水気が多い場所を好み、木蔭の茂みの中や、北側に面した傾斜などの半日陰になる湿り気の多い場所に群生して生えています。
ゼンマイは花をつけないで、キノコのように胞子によって繁殖します。あのクルクル渦巻状の葉にも2種類あって丸っこいつぶつぶの胞子を持った「男ゼンマイ」と平らで綺麗な渦巻の葉を持った「女ゼンマイ」があります。山菜採りのマナーでは、男ゼンマイを採るとその後、再生されなくなり繁殖に影響するので、男ゼンマイは採ってはいけないとされています。男ゼンマイと女ゼンマイの違いは見た目でハッキリとわかりますよ。
ゼンマイの株を植えよう!
ゼンマイの株は、ホームセンターや通販で手に入れる事ができます。植え付け時期は、秋(10月~11月)が最適です。ゼンマイは冬の間、休眠期に入りますので地上部が無く地中の株部分で売られています。必要なのは、プランターとプランター用の土だけです。
株間を20cm空けて植え込みます。大きめの60cm幅ぐらいのプランターに3株が目安です。直射日光が当たらない風通しの良い所を選んでください。
春まで楽しみに待ちましょう!
ゼンマイは湿った環境を好みますので、水やりは乾いたら水をあげます。
野生のゼンマイは、落葉樹の根本に自生することが多いので冬の間は落葉をかけて保湿保温してあげて春になり暖かくなったら取り除いてあげると良く育ちます。
いよいよゼンマイ収穫の春です!
春になると、地中より渦巻状に葉を撒いて綿毛に覆われてゼンマイが顔を出します。収穫時期の目安は、九州で3月中旬頃から始まり4月中旬からGW辺りに本州で旬を迎え6月に東北地方に旬が移ります。
- 葉が広がる前で綿毛をつけて丸まった状態で収穫
- 葉から25cm下の辺りで折って収穫(根本の方は堅いです。)
- 男ゼンマイと女ゼンマイを1本ずつ残して収穫
男ゼンマイは、女ゼンマイに比べ少々硬いですが美味しいですよ。
だいたい1株に男ゼンマイ、女ゼンマイ合わせて6本ぐらい生えてきますが、株を弱らせないために男ゼンマイは1株につき1本残して採ってしまいます。女ゼンマイも一株につき1本は残して葉を広げさせないと株が育ちません。女ゼンマイは、シダ植物独特の綺麗な葉を広げますので鑑賞としても良いですよ。
ゼンマイは収穫したらすぐ茹でる!
その前に、茶色い綿毛を取って先についた丸まった葉も取ります。そしてここから茹でて灰汁抜きになりますが、定番の重曹や木炭を使った灰汁抜きより簡単な方法を紹介します。
- ゼンマイがゆったり入る大鍋に水1Lに対し塩(小2)、小麦粉(大4)を加え沸騰させる
- 沸騰したらゼンマイを入れて3分ほど茹でる
- その後、ゼンマイを取り出して流水に10分程さらします。
- 大鍋に水を張りゼンマイを浸し2時間放置
- 灰汁抜き完了!
ゼンマイを天日干し!
灰汁抜きしたゼンマイを新聞紙やゴザに広げ、日光を浴びると1~2時間ほどで赤味を帯びてきます。ここで大切なのが、ゼンマイを両手で丸めて揉みほぐす事です。揉むことによってゼンマイが柔らかくなります。丸めて揉んだら広げて乾燥を何度も繰り返します。天気が良ければ3日ほどで干し上がり、乾燥ゼンマイの出来上がりです。
手間のかかる乾燥ゼンマイは、国産のもので1kg辺り1万~2万円の高値で取引されます。天日干しによって、うま味も栄養分も倍増されて絶品になった乾燥ぜんまい!市販の水煮とは雲泥の差があります。ゼンマイが、山のダイヤと呼ばれるわけですね。
干しゼンマイを戻す方法!
干した乾燥ゼンマイは、調理前に戻す必要があります。
- 大鍋に水を張りゼンマイを入れ火にかけます。
- 沸騰したら火をとめて、ぬるくなるまで水を足します。
- ぬるま湯の中でゼンマイを丁寧に何度も揉みます。
- 1~3をもう一度繰り返します。
- 新たに大鍋に水を張りゼンマイを入れて一晩寝かして完成!
ゆっくりと天日干しされたゼンマイは、ゆっくり戻してあげるのが大切です。後は、お浸し、煮物、天ぷら、炒め物、炊き込みご飯とゼンマイの春の香りが広がり食欲をそそりますね。
秋になったら来春の準備!
残した女ゼンマイは、初夏から秋にかけ美しいシダの葉を広げます。やがて秋が深まれば枯れていきますが、そこからまた来年の春の収穫に向け準備します。残した男ゼンマイの胞子で繁殖する可能性もありますが、なかなか難しいようです。
大きくなったゼンマイ株を株分けして新しいプランターに植え替えて、ゼンマイ株を毎年増やしていくのも、楽しみの一つですね。また春になればクルクル丸くて可愛いゼンマイが顔を出しますよ。
さて今回は、山のダイヤ!高級食材ゼンマイをプランターで育てる8つの方法についてお話しましたが、いかがでしたか?
もちろん、プランターでなくてもお庭の木蔭になる場所などで栽培可能ですし、ゼンマイの可愛らしい新芽や綺麗な葉によって風景もグッと変わりますよ。お家で山の幸が楽しめるなんて素敵ですね。ゼンマイの家庭菜園、試してみてはいかがでしょうか。
ぜひ、おすすめします!
山のダイヤ!高級食材ゼンマイをプランターで育てる8つの方法
- まずはゼンマイを知ろう!
- ゼンマイの株を植えよう!
- 春まで楽しみに待ちましょう!
- いよいよゼンマイ収穫の春です!
- ゼンマイは収穫したらすぐ茹でる!
- ゼンマイを天日干し!
- 干しゼンマイを戻す方法!
- 秋になったら来春の準備!