「ビーツ」という野菜を知っていますか?「ビート」とも呼ばれています。日本の普段の食卓では、あまり馴染みがないかもしれませんが西洋ではよく食べられています。ロシアの代表料理、ボルシチの中に入っている鮮やかな色の野菜がビーツです。
一度見たら忘れられないぐらい鮮やかに赤い根菜で、見た目はカブと似ています。しかし属性はアカザ科で、日本の根菜だとサトウダイコンと同じ科に属しています。ポリフェノール、一酸化窒素、リン、ナトリウム、葉酸、カルシウム、鉄分を含んでおり、体の調子を整える栄養素が豊富で「飲む輸血」と呼称されることもあるぐらいです。
ビーツはボルシチだけではなく、サラダにもよく使われます。日本では珍しい野菜と見なされますが、様々な用途で料理できるのです。今回は栄養豊富なビーツを使ったレシピを紹介します。
まずはビーツの下処理から!
ビーツは実際に触ってみると分かりますが、とても固い野菜です。内部まで火が通るのに時間がかかります。そして、一度切ると赤い汁が染み出てくるので、調理器具も汚れやすいです。なのでほんの少し取扱いに注意を要します。
一番手軽なのは、ビーツを丸ごと、お鍋にたっぷり入ったお湯で30分から40分ぐらい煮る方法です。水をわかす前の段階で酢と塩を少々加えておきます。煮る時間はビーツの大きさや用途によりますが、竹串が通りやすくなっているかを目安にしましょう。皮ごと煮るのがポイントです。
下処理後に皮を剥きます。ビーツの皮は手でも剝けますが、ピーラーを使うと楽です。あまり煮すぎると、せっかくの鮮やかな赤い色素がお湯の中に溶け込んでしまうので注意です。
ビーツを使った代表料理「ボルシチ」
ボルシチは世界三大スープで有名なロシアの代表料理ですね。温かいスープとして飲むことで体を温めてくれます。またビーツには血液をサラサラにする効果があり、ビーツの中でも最近注目を集めている栄養素は一酸化窒素「NO」(エヌオー)です。この「NO」は血行促進に効果的です。血液の流れを好転させるだけでなく、血管の筋肉自体もよく働くよう促してくれます。
結果、体内の血液の循環が良くなります。貧血予防はもちろん、血液中にある酸素の巡りも良くなることになり、疲労回復も期待できます。また、血行が良くなることで体で熱を発する力と脂肪を分解する力、つまり燃焼力も上がって代謝もアップします。ダイエット効果も期待できますよ!
- 牛かたまり肉(200g)
- 玉ねぎ(半玉)
- キャベツ(50g)
- ビーツ(130g)
- トマト(小2個)
- コンソメ
- 水(600CC)
- バター(少々)
- 酢(少々)
- こしょう(少々)
作り方
- 玉ねぎは2センチの大きさで縦にスライスする。キャベツは1センチぐらいにザクザク切る。トマトは湯向きしてザク切りにする。
- 牛かたまり肉をあらかじめフライパンで焼き、軽く火を通す。
- 底の深い鍋にバターを引いて加熱し、玉ねぎ、キャベツを入れて全体がしんなりするまで炒めた後、ビーツとトマト、2を追加する。
- ビーツの色が全体に馴染んだ後、水とコンソメを入れ、野菜と牛肉が柔らかくなるまで煮込む。
- お好みの量で、酢とこしょうを加えて味を調える。
お好みで仕上げにサワークリームを加えても良いです。
ビーツの風味を堪能赤い「ポテトサラダ」
ゆでるとホクホク感が増すビーツとじゃがいものポテトサラダです。ビーツの甘辛さとじゃがいもの舌触り、酸っぱい酢が絶妙に堪能できる味です。ビーツによって赤く染まった鮮やかなポテトサラダです。
- じゃがいも(中1個、小1個)
- かぼちゃ(50g)
- ビーツ(130g)
- オリーブオイル(大さじ1)
- 酢(大さじ1)
作り方
- じゃがいもと皮付きのまま、お鍋にたっぷり入った水からゆでる。
- 下処理済のビーツの水分をキッチンペーパー等で充分に取っておく。
- かぼちゃは別途、柔らかくなる程度に下ゆでしておく。
- 1が竹串が通る程度まで柔らかくなったら、お湯をから取り出して皮を手で剥き、
- 一口大に切る。
- ボウルの中に2-4、オリーブオイル、酢を入れて熱いうちに混ぜ合わせる。
鉄分を補給!「レバビーツ炒め」
レバニラ炒めならず、ニラとビーツも入れた「レバビーツ炒め」です。レバーは鉄分が多く含まれているので有名ですが、少々味に癖があります。ビーツで甘さを加え、和らげましょう。鉄分豊富なビーツとレバーの組み合わせ、まさに「鉄壁レシピ」です。
- 鶏レバー(200g)
- ニラ(1束)
- キャベツ(50g)
- ビーツ(100g)
- しょうゆ(適量)
- 塩(少々)
作り方
- 鶏レバーをそぎ切りする。食べやすい大きさにする。
- ボウルに1を入れ、大さじ半分程度のしょうゆを追加してからめる。
- フライパンでレバーのみ中火で炒め、表面の色が変わったら火を止める。
- ビーツはなるべく水分を抜き、5ミリ程度にお好みの大きさでスライスする。
- ニラ、キャベツ、ビーツをしんなりするまで強火で炒め、レバーを入れる。
- 小さじ1目安のしょうゆと塩をふって味を調える。
お洒落気分になりたいディナーに「ビーツトマトパスタ」
赤ワインを片手に、少しお洒落なディナーを自宅で食べたいときにお薦めです。ビーツの色素も絡み合った赤色のソースが、赤ワインへの欲望を掻き立てるパスタです。
ポリフェノールは一般的に抗酸化作用がありますが、中でもビーツに含まれているポリフェノールの一種「ベタシアニン」は特に優れています。体内で酸化現象がおこる、つまり活性酸素が活発になると細胞を傷つけます。体が錆びつき、老化も進行しえしまうのです。抗酸化作用は、この活性酸素の量を減らす作用なので老化の進行を緩めてくれることになります。
- 合い挽肉(100g)
- 玉ねぎ(半玉)
- トマト(中2個)
- ビーツ(100g)
- トマトケチャップ(適量)
- しょうゆ(小さじ2)
- みりん(小さじ2)
作り方
- 玉ねぎをみじん切りにする。トマトは湯向きした後、ブレンダー等を使っても良いので液体に近くなるまで小さくする。
- 予め下処理したビーツは小さく角切りにする。
- 玉ねぎをしんなりするまで強火で炒めた後、挽肉も入れて炒める。挽肉にわずかに味を加えるつもりで、しょうゆとみりんを入れて絡める。
- 挽肉がポロポロと焼きあがってきたら、トマトとビーツを入れる。水分が蒸発するまで炒める。お好みでトマトケチャップを追加して味を調える。
- ゆでておいたパスタ麺に3を載せる。お好みで粉チーズをかけても美味しく食べられます。
お手軽に 冷蔵庫に常備したい「ビーツのピクルス」
こまめにビーツの栄養素を体に補給したいとき、冷蔵庫に調理済のビーツがあると便利ですね。
- 玉ねぎ(半玉)
- ビーツ(100g)
- 酢(150cc)
- 水(75cc)
- 砂糖(大さじ1)
- ローリエ(1枚)
- 酢と水、ローリエを鍋に入れて軽く加熱しつつ砂糖を溶かし、つけ汁をつくる。
- 下処理済のビーツを薄くスライス、あるいは短冊切りなど好みの形に切って保存容器に入れる。
- 1を2の中に注いで完成。粗熱をとった後、冷暗所あるいは冷蔵庫で保存する。季節によって保存場所を変えましょう。
シンプルにビーツの味のみ堪能「ビーツの蒸し焼きスライス」
他の具材の味を混ぜることなく、ビーツをそのまま食べて味わいたい場合は、やはりシンプルにスライスして食べましょう。普段のサラダの横に沿えるのもお洒落で良いです。
- ビーツ(100g目安)
作り方
- 下処理でゆでたビーツを冷ました後、縦にスライスする。
- そのままお皿に盛る、あるいはサラダに沿える。
さて、今回は身体に良いけど使い道がわからないビーツを使った6つの厳選レシピはいかがでしたか?普段のレシピに取り入れる機会はあまり無かったかもしれませんが、栄養素たっぷりで、ちょっとした料理もお洒落に仕上がるビーツを試してみてはいかがでしょうか。
身体に良いけど使い道がわからないビーツを使った6つの厳選レシピ
レシピ1:ビーツを使った代表料理「ボルシチ」
レシピ2:ビーツの風味を堪能赤い「ポテトサラダ」
レシピ3:鉄分を補給!「レバビーツ炒め」
レシピ4:お洒落気分になりたいディナーに 「ビーツトマトパスタ」
レシピ5:お手軽に冷蔵庫に常備したい「ビーツのピクルス」
レシピ6:シンプルにビーツの味のみ堪能「ビーツの蒸し焼きスライス」