ゴボウといえば、きんぴらや煮物など和食食材の定番です。食物繊維が豊富で健康効果の高いイメージはありますが、ゴボウ特有の香りやアクで敬遠する方も多い野菜です。
土付きで売られていることも多いせいか、「ゴボウの皮は剥く」のが当たり前になっていませんか?ゴボウの皮には健康効果の高い栄養が含まれているため、ゴボウの皮は剥いてはもったいないのです。
ゴボウの中心部よりも、皮の近くに多くのポリフェノール類が含まれています。通常ゴボウは水にさらしてアク抜きをしますが、このアクがポリフェノールです。長時間水にさらしておくことは栄養を逃がしていることになるのです。
強い抗酸化能を持つポリフェノール
ゴボウの皮のすぐ下にクロロゲン酸という非常に強い抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれています。紫外線などの影響で、体内には老化の原因となる活性酸素が発生します。クロロゲン酸が体内の活性酸素を取り除くことでシミやシワなどの老化を防ぎ、アンチエイジング効果が期待できます。
クロロゲン酸には他にもいくつかの健康効果が期待されていますが、そのうちのひとつに食後血糖値の上昇抑制があります。
食物から摂取した糖質は、糖質を分解する酵素によって分解されます。クロロゲン酸はこの酵素の働きを阻害するため、血糖値の上昇が緩やかになります。
また、クロロゲン酸は消化管からの糖の吸収を穏やかにする作用や、血糖値の上昇を抑える効果のあるホルモン(GLP-1)の生成にも関与していることがわかってきています。これらの作用から、血糖値の上昇抑制に効果的であるといわれています。
ゴボウの皮の下にあるポリフェノール
サポニンには苦みがあるので、ゴボウの苦みやえぐみの要因のひとつとなっています。また、サポニンは水に溶けて混ざると泡立つ性質があるので、ゴボウを茹でた時に出るアクが泡立つことがあるのはサポニンの影響があるといえます。
サポニンには免疫機能に関与するリンパ球のひとつであるナチュラルキラー細胞を活性化する働きがあります。ウイルスや細菌から体を守り、インフルエンザや風邪をひきにくくなるといえます。
ゴボウに含まれるサポニンには、毛細血管への血流を改善する働きがあるため、冷え性の改善や血栓の予防効果も期待できます。
腸内環境改善の期待ができる
ゴボウの皮には不溶性の食物繊維リグニンはポリフェノールの重合物で、不溶性の食物繊維です。人の体内では分解されないためほとんど吸収されず腸内細菌の影響を受けにくいので、便のかさを増やします。便の状態を改善し、整腸効果が期待されます。
さらに胆汁酸を吸着して体外へ排出して血中コレステロールを抑制する作用や、大腸がんの予防に効果があるという報告もあります。
食物繊維の代表セルロースの宝庫
ゴボウの皮に含まれているセルロースは不溶性の食物繊維で、植物の細胞壁の主成分です。人はセルロースを分解する酵素を持っていないので消化吸収されません。そのため便の量を増やし便秘を改善する効果があります。
それに付随して腸内環境が改善されたり、発がん性物質を抑制したり、人体に有害な物質を排出するなどの効果が得られます。
ゴボウの皮には天然の吸収ポリマー
ゴボウの皮には水溶性の食物繊維イヌリンが含まれており、腸内の善玉菌といわれるビフィズス菌や乳酸菌のような有益な腸内細菌を選んで増殖させ、有害な腸内細菌の増殖を抑える効果があることがわかっています。その結果、腸内細菌のバランスが整い便秘を改善する効果があります。
動物実験では、腸管からカルシウム、鉄、マグネシウムなどの吸収量が増加するという結果も出ています。カルシウムの吸収増加によって骨量や骨密度が増加し、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
他にもコレステロールの減少効果や食後血糖値の上昇を抑える効果など、多くの健康効果が期待できます。
食物繊維は不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1の割合で摂取することが望ましいといわれています。ゴボウに含まれる食物繊維は水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれているので、腸内環境を整える効果は非常に高いといえます。
ゴボウの皮の健康効果を無駄なく摂る方法は?
ゴボウの皮に含まれるポリフェノールの多くはゴボウの色やアクに含まれているものなので、皮を剥いて水にさらすと、ほとんど摂取できていないことになります。食物繊維もポリフェノールも、ゴボウを皮ごと食べることで効率よく摂取できます。
ゴボウは新鮮なほど、アクもえぐみも少ないといえます。土付きのまま、切らずに売られているものの方が鮮度が保たれています。太すぎず、細すぎず、根元から先端の太さが極端に違わないものを選んでください。
買ってきたら早めに調理します。たわしを使って洗い、泥がよく落ちれば十分です。ひげ根は取ってください。どうしても汚れが気になる場合は、アルミホイルを丸めたもので軽くこするか、気になる部分だけを包丁の背でこそげましょう。切ったら水にさらしておかずに、水洗いをしてすぐに調理します。
白く仕上げたいお料理の場合は、洗ってからピーラーで皮を剥きます。中心部分は切って水にさらし、アクを抜いてから調理します。皮の部分は水気をよく拭いて、油でカリッと揚げます。軽く塩をふってゴボウチップスにして食べれば、皮の栄養も無駄なく摂れます。子供のおやつや、お酒のおつまみにぴったりです。ゴボウは皮まで食べて、ゴボウの力を余すところなく、いただきましょうね。
さて、今回はゴボウの皮の効果が凄い!捨てないで食べてほしい5つの理由と調理法について紹介しましたがいかがでしたか。
今までゴボウの皮を捨てて来たかと思いますが、ゴボウも皮も有効に使うことでゴミを減り、より多くの栄養を摂取できるので今日からぜひゴボウの皮を食べてみましょうね。
ゴボウの皮の効果が凄い!捨てないで食べてほしい5つの理由と調理法
- 強い抗酸化能を持つポリフェノール
- ゴボウの皮の下にあるポリフェノール
- 腸内環境改善の期待ができる
- 食物繊維の代表セルロースの宝庫
- ゴボウの皮には天然の吸収ポリマー
- ゴボウの皮の健康効果を無駄なく摂る方法は?